世界的に有名な、名作映画に登場する車を紹介します。映画に登場する車は、単なる小道具ではありません。名作映画ほど出演させる車種の選定にぬかりがなく、ストーリーに合った役割を与えます。ここでは、映画で登場する車を探せるよう、年式やモデルもまとめました。
世界的な名作映画に登場する名車
車は映画に欠かせない乗り物
車は私たちの生活に密着した乗り物であり、映画にとっても欠かせない存在です。小道具として用いられることもありますが、中には出演者と同じくらいストーリーを与えられる車もあります。
また、映画に実在の車が登場すると、ストーリーにリアリティが加わります。少し背伸びをすれば手に入る車や、普段よく見かける車が映画に登場すると、仮想と現実の距離が縮まるのです。
なお、この記事は2021年10月4日現在の情報をもとに作成しております。
アクション映画の名作に登場する車4台
派手なアクションにぴったりのパワーとスピード
車が登場する映画の花形は、何といってもアクション映画です。派手なカーアクションは、ストーリーの展開にドキドキ感を与えます。ここでは、世界的に有名なアクション映画に登場する車を紹介します。
①ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
- 三菱ランサーエボリューションⅨ(CT9A)
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ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(主演:ルーカス・ブラック)は海外の映画でありながら、舞台は東京なので日本車が多く登場します。
本作から紹介するのは、三菱のランサーエボリューションⅨ(CT9A)です。映画の中では駆動輪が後輪になっており、フロント周りはランエボⅧに換装されています。
通称エボⅨはシリーズ最強モデルの名車です。絶版となったものの、コンディションと価格で選べるほど、中古車在庫は豊富にあります。 また、本作には日産のスカイラインGT‐Rも登場し、紳士的な乗り味のR33や硬質なキャラクターのR34もおすすめです。
②ベイビー・ドライバー
- スバルインプレッサWRX(GDB)
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ベイビー・ドライバー(主演:アンセル・エルゴート)は音楽とリンクした華麗なカーアクションが魅力の映画です。
本作からはスバルのインプレッサWRX(GDB)を紹介します。映画の中で登場する車は撮影用車両で、モデルは特定できません。搭載されている水平対向4気筒エンジンは操舵性を素直にしてくれます。平たい形状のエンジンなので、車体の低重心化に貢献するのも魅力です。
インプレッサWRXは人気車種だったので中古車在庫は豊富で、コンディションと価格を見て選べます。水平対向エンジンのフィーリングを堪能したいならレガシーもおすすめです。
対になった気筒が互いに引っ張り合ったり押し合ったりするので振動が少なく、硬いゴムで車体にエンジンを設置できるので、カーブでエンジンが左右に振れるのを抑えてくれます。ちなみに、水平対向エンジンはBMWのRシリーズのバイクにも搭載されています。
③60セカンズ
- シェルビーマスタングGT500
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60セカンズ(主演:ニコラス・ケイジ)は車の窃盗団を題材にしたハリウッド映画です。車の窃盗組織で失敗をした弟を救うために、主人公が仲間と高級車を盗みます。盗まれた高級車がずらりと並べられたシーンは圧巻で、美しい車を愛でたくなる気持ちが湧き上がります。
この映画から紹介する車は、主人公がかつて何度も盗むのを失敗してきた「エレノア」と名付けられたシェルビー・マスタングGT500です。7.0リッターの8つ気筒があるV8エンジンは、355馬力の最高出力を発生させます。
映画で登場する1976年モデルは希少車です。エレノアの面影を追いかけるなら2006年以降のモデルがおすすめで、3.7リッターと4.0リッターのV6エンジンを搭載したモデルにお買い得感があります。
④ミニミニ大作戦
- BMWミニクーパーS
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ミニミニ大作戦(主演:マーク・ウォールバーグ)はスタイリッシュで爽快なカーアクションが魅力的です。ワイルドスピードシリーズやトランスポーターシリーズでおなじみの、ジェイソン・ステイサムも出演しています。
この映画から紹介する車はBMWミニのクーパーS(RA16)です。男性が乗ればかっこ良い、女性が乗ればかわいい、ご年配が乗ればおしゃれと、デザインから生き方を豊かにしてくれる名車だといえます。高速域で安定する足回りやスポーティな操舵性に人気があり、価格帯もお手頃です。
また、ミニは2001年からBMWミニとなり、現在は第三世代まで出ております。世代ごとに特徴は異なりますが、よりスポーティになり、室内も広くなりました。レジャーなどで実用性を重視する場合は、ミニクラブマンも検討してみてはいかがでしょうか。
SF&コメディ映画の名作に登場する車4台
現実の車が変形する姿は圧巻
愛車を擬人化させてしまうのは自動車ファンあるあるです。SF映画では車を登場人物として出演させることがあり、これは自動車ファンの夢を実現しています。また、車を題材にしたコメディ映画も多いです。ここでは、世界的に有名なSF映画とコメディ映画に登場する車を紹介します。
①トランスフォーマー
- シボレーシボレーカマロ(5代目)
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トランスフォーマー(主演:シャイア・ラブーフ)は同名の玩具を題材にした映画です。1カットで車がロボットに変形するシーンは迫力があります。
この映画で紹介する車は、バンブルビーが擬態したシボレーの名車5代目カマロです。2010年モデルのトランスフォーマー仕様限定車は2モデルありますが、合計で限定16台しか存在しません。“Transformers"のロゴが車体の様々なところにあしらわれており、特別な車となっています。
アメリカ車の象徴ともいえる有名な車ですが、カマロ自体の中古車の価格帯は頑張れば手の届く範囲です。
②バンブルビー
- フォルクスワーゲンVWタイプⅠビートル1967年モデル
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バンブルビー(主演:ヘイリー・スタインフェルド)はトランスフォーマーシリーズでも名作中の名作です。バンブルビーがビートルに擬態し、出演者として主人公と友情を深めます。
ここで紹介するのはVWタイプⅠビートルの1967年モデル(通称ロクナナ)です。映画内に登場する黄色いボディカラーは純正ではなく、バンブルビーを意識したカラーになっています。
空冷エンジンを積んだビートルは今も世界的に大人気で、生産台数も多いため中古車市場でもラインナップは充実しています。年式の古い車ですが、車両重量が軽いので燃費性能にも優れています。
③ミスター・ビーン
- ローバーローバーミニ
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ミスター・ビーン(主演:ローワン・アトキンソン)はイギリスのコメディ番組が映画化された映画です。視覚的なお笑い劇は老若男女楽しめます。
この映画シリーズで登場する車はローバーミニです。初期の作品では伝説の名車モーリスミニ、3作目からは日本でもおなじみのBMCミニが登場します。コンパクトカーに慣れ親しんだ日本人にとって、小さい車が映画で活躍する姿は微笑ましい後継です。
キャブ車の運転フィーリングの良さは捨てがたいものの、環境に左右されやすくエンジンの不調を招きやすいので、普段使いにはエンジンの状況を検知して最適なコントロールをしてくれるインジェクション車がおすすめです。
④TAXI
- プジョープジョー406(D8)
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TAXI(主演:サミー・セナリ)は、スピード狂のタクシードライバーと、マヌケな刑事のコミカルなやり取りが楽しめる、痛快なカーアクション映画です。
この映画から紹介するのはプジョー406(D8)です。なんの変哲もない4ドアセダンが、レバーONでスーパーマシンに変身します。
コンパクトで実用性の高いセダンながら、フランスの美意識が生み出したフォルムが小粋ですし、座り心地のいいシートはプジョーならではの出来栄えです。安い中古車価格帯にも魅力があります。
アニメ映画の名作に登場する車4台
アニメはデフォルメされた車の描写が秀逸
アニメ映画は急速にクオリティが高くなり、海外へ誇れる日本の文化に成長しました。アニメの本家アメリカでは、子供向けのアニメに人気があります。デフォルメされた車の描写は迫力満点です。ここでは世界的に有名なアニメ映画に登場する車を紹介します。
①カーズ
- ポルシェ911カレラ(996型)
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カーズ(主演:ライトニング・マックイーン、CV:土田 大)はレーシングカーが主人公のアニメ映画で、ストーリーは清々しいアメリカの青春映画です。
この映画から紹介するのはポルシェの911カレラ(996型モデル)です。作中でも911カレラの美しいフォルムが見事に描写されており、涙目のヘッドライトが特徴です。
予算の都合で911カレラに手が届かなかったら、同年代の986型ボクスターもおすすめです。多くの部品を996型911カレラと共用しています。
②頭文字Dサードステージ
- トヨタスプリンタートレノ(AE86)
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頭文字Dサードステージ(主演:藤原拓海、CV:三木眞一郎)はテレビアニメの続編映画です。アニメシリーズの世界観を維持しながらも、映像はかなり進化しています。
この映画で紹介する車はトヨタのスプリンター・トレノ(AE86)です。水平対向エンジンのトヨタ86もかっこいいですが、一般的に「ハチロク」といえばこのモデルです。
ハチロクの中古車価格は高騰していますので、手の届く方はカローラ・レビンのハチロクも含め、早めの購入を検討してみてはいかがでしょうか。また、ハチロクではありませんが、価格を抑えたい方にはレビン・トレノのAE92やAE100/101もおすすめです。
③エヴァンゲリオン新劇場版 序
- アルピーヌルノーA310
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エヴァンゲリオン新劇場版 序(主人公:碇シンジ、CV:緒方恵美)は、少年の心の揺らぎをみずみずしく描いたアニメ映画です。風景描写も非常に綺麗で、登場する車も繊細に描かれています。
この映画から紹介する車はアルピーヌルノーA310です。ネルフに所属する葛城ミサトの愛車として登場します。近未来的なフォルムや、実用性の高さが特徴の車です。
④竜とそばかすの姫
- ダイハツムーヴキャンバス
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竜とそばかすの姫(主演:内藤 鈴、CV:中村佳穂)はサマーウォーズの続編とされている映画です。サマーウォーズではガラケーですが、この映画ではスマホが使用されており、時代の移ろいが感じられます。
この映画に登場するのはダイハツのムーヴキャンバス(2021年モデル)です。ムーヴキャンバスはかわいいだけの軽自動車ではなく、高い実力も備えています。高速道路を走行してもエンジンの回転数を低く抑えてくれる設定ですので、長距離移動でも疲れにくく、燃費性能も優秀です。
名作映画に登場する車に会いに行こう!
実車に勝る説得力はない
映画で登場する車には、普段の生活でめったに見られない車種もあります。映画で気になる車種を見つけたら、自動車博物館へ探しに行きましょう。
古い車ならではのオイルのにおいも感じられ、写真やPCの画像にはない迫力を感じられます。ここでは、世界的に有名な車を展示しているおすすめの博物館を紹介します。
トヨタ博物館
愛知県長久手市のトヨタ博物館は、自動車の歴史を学べる博物館です。トヨタ車にこだわらず展示されており、海外のクラシックカーも学術的な観点で展示されています。
時代背景と照らし合わせ、ストーリー仕掛けで車が展示されているのも特徴です。自動車の黎明期には馬車に似た大きな自動車が多いのですが、マイカーが普及するようになると実用性の高い車が増えます。
カーズ2に登場するトッポリーノおじさん(1936年製フィアット500)に会えるので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
日本自動車博物館
石川県小松市にある日本自動車博物館は、私設の自動車博物館です。海外のクラシックカーも展示されていますが、昔懐かしい日本車も展示されています。
私設の博物館とは思えないほど展示数が多く、メーカーの影響を受けていないのも特徴です。バンブルビーで登場するVWビートルや、エヴァンゲリオンシリーズで登場するマツダのコスモスポーツも展示されています。
映画ファンなら帰路は千里浜渚ドライブウェイに立ち寄りましょう。映画のワンシーンのように、砂浜の波打ち際をマイカーで走行できます。
名作映画に登場する車を手に入れよう
映画に登場する車は、私たちの今いる現実と、作品内の世界との差を縮めてくれる乗り物です。思い入れのある映画や、この記事で初めて知った映画に登場する車をぜひ実際に見てみてください。
価格帯が現実的な車種もあるので、映画の世界観を体感するために、映画に登場する車を所有するのもおすすめです。