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投稿者評価
平均
フェーズ1、V6・2.5。現在所有しているのは台目である(一台目は事故で部品取りに)。
「車」が必要な人は迷わずトヨタを買うべきだが、
「クルマ」が必要な人は迷わず候補に入れて欲しい。誤解を恐れず言えば、中途半端なクルマである。ブランドイメージそのままにスポルトな雰囲気はたっぷり。260km/hスケールのスピードメーターが熱きラテンの血潮を予感させる。
ところが、
ステアリングの入力に対してクイックに鼻先を振る様に意気揚々とサーキットに持ち込めば、見事にフロントヘビーが露呈し笑ってしまうほどにバランスが悪いし、社外マフラーと相まって管楽器さながらの快音こそ奏でるが決して速いとはお世辞にも言えない。長めのシフトストロークもまどろっこしい。
いわゆる世間のスポーツカー像をイメージして接すれば、見事なまでに期待を裏切られる。もはやラップタイムでは国産車には及ばないから、比較する事自体がナンセンスでさえある。
タイムでは叶わない。しかし、何をしても、どこに行っても一日を終えてこんなにニンマリ出来るクルマを、私は他には知らない。
限界は高くないが、フロントタイヤのヘソを曲げなければ例の超絶フロントヘビーを感じない程ハンドリングは良い。
トルク一辺倒に味付けされた現代車を鼻で笑うようにレッドまで駆け上がるタコメーター。思えばそれは極めてナチュラルな出力特性であるわけだが、回せば回すだけご機嫌なエンジンと、それが奏でるサウンドはもう絶品の一言。
実質的な速さより、体感的な速さ。インテリアのみならずドライバーをその気にさせる演出はイタリアンそのもの。
もちろんロングドライブも難なくこなす。体感速度はそれなりにあるけれど、スピードが乗る程に安定感が増すから高速道路さえ楽しい。
そして何よりこのデザイン。特徴的なマスクばかりに目を奪われるが、洗車していると抑揚の効いたボディラインにハッとさせられる。レザーのシートと小洒落たインテリアデザインは助手席の女子も上機嫌。
速いクルマが欲しけりゃ国産スポーツカーをお勧めする。燃費が気になるなら電気自動車がナイス。
ステータスでしか外車を見られない人種や、ファッションで転がしたい向きには心底「やめておけ」と思う。あなたも156もハッピーにはなれないからだ。
刺さらない人には多分永遠に刺さらないクルマ。
トラブルというトラブルは無いが、それなりに距離も年数も経た個体も多い事から、定期的なメンテナンスと「家電」ではなく「クルマ」を扱う上でのある程度の知識はやはり要求される。プラスα、イタリアの文化を納得はせずとも理解してやらねばならない場面もある。とは言え、キチンとメンテナンスをされてきた個体なら巷のウワサなんてウソのように壊れないし、毎日の通勤や買い物に使っている事も事実。
唯一無二のデザインを、絶品エンジンと痛快な走りと共に所有できる喜びは他には変えられない。コツコツカスタマイズしていく楽しみもある。
非日常と日常の両立。「こんな設計するから…」と呆れてしまう事もしばしばあるが、僕はイタリア人を嫌いにはなれない。日本人が同じものを作ろうとしても絶対不可能であろう。
部品が供給される限り永遠に所有していたいクルマであり、今の車が捨てた要素がふんだんに盛り込まれたクルマである。なんだかんだ言いながらも注いだ愛情には応えてくれるので、オンナと形容されるのも頷ける。スーパーカーでもないのに、ガレージに止まってる事が嬉しくなる一台だ。
注意点
・タイミングベルト交換は約5万km毎。
・クラッチのレリーズとマスターシリンダーは要チェック。
・エアコンのコンプレッサーベアリングの異音の確認。ちなみに鳴っても鳴ってなくても効きは期待できない。
・内外装のチリは合ってなくて当然ですが、極端なものは修復歴と内容をしっかり確認する。
・ミシミシ・ギシギシ、きしみ音や寒いと出るコトコト音は笑って許して。
・車内がガソリン臭いのは燃料ポンプを変えて欲しがっています。
・ハンドルのすえ切り厳禁。重ステでは疲れるからやらない事を、機械任せにやるものではありません。
・ブッシュ・ブーツなどゴム関係の寿命は短めなので、交換ついでに可能なら日本製のものを使うと良いかと。
では、素敵なアルファライフを。
【良い点】
【悪い点】
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総合評価
外観のデザイン・ボディカラー | 走行性能 | 乗り心地 | 価格 |
---|---|---|---|
4.9 | 4.2 | 3.8 | 3.6 |
内装・インテリアデザイン・質感 | 燃費・経済性 | 装備 | |
4.1 | 2.9 | 3.5 |
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125.4