【総合評価】 「GL」のつく車名からわかるように、GLAはメルセデスSUVの一族に属するモデル。ルックスからも明らかだが、ベースとなっているのは現行の3代目Aクラスだ。SUVとしては背が低いことを特徴とするが、これはルックスのスポーティさと、低全高&低重心が貢献する走りのよさ、空力のよさを追求した結果。標的とするBMW・X1と、基本は同じ方向を向いている。だが、こちらのパワートレーンは横置き。エンジンは直噴ターボの4気筒で、「180」には1.6L、「250」には2Lの心臓を搭載する。なお、「250」はハルデックスカップリング式4駆を採用する4マティックだ。 【良い点】 構えずに、さりげなくSUVに乗りたい人に取っては、GLAのスタイルやパッケージはジャストと言えるもの。フロアやシートが低めのため乗り降りがしやすく、立体式駐車場対応というメリットも備えている。スタイルはちょっとAクラスに似すぎている感があるが、SUVらしからぬスポーティさや若々しさを表現していることは確かだ。 そしてパフォーマンス。2L直噴ターボを積む「250」の性能は余裕たっぷりで、ロングクルーズも快適にこなす能力がある。静粛性もコンパクトSUVとしては高いレベルにある。加えて、「250」は4マティックを採用するため、悪天候のドライブでも安心だ。高速走行のスタビリティやワインディングにおけるハンドリングも、最新のSUVらしくハイレベルなものだ。 なら、SUVに求められるオフロード性能はどうだろう? 正直、実力はルックスからイメージするレベルよりもはるかに高い。ロードクリアランスの余裕はさほど大きくはないが、意外なほど腹やあごを摺ることなはく、難所も涼しい顔でクリアしてしまう。出来のいい電子制御4駆と、ヒルディセントコントロールに代表されるオフ専用電子デバイスの能力の高さが光る。 【悪い点】 つっぱり感があり、ランフラットタイヤの硬さを直接的に伝えてしまうローダウンの「スポーツサス」はGLAには不向き。日常的にGLAを乗り回したい人にベストなのは、しなやかさとしたたかさをバランスさせた「ノーマルサス」で、オフロード走行を重視する人には「オフロードコンフォートサス」をお薦めする。
(投稿者:森野 恭行 投稿日:2014年12月26日)このレビューを見る
総合評価
4.1